断捨離せずに凌いだ母


母の話なんですが、ものすごく荷物の多い人なんですね。
オンボロだけども無駄に広い一軒家に住んでいたので、置き場所には困らず、あれもこれもと溜めに溜めたり。
半世紀以上かけて積もりに積もった荷物は、およそ軽トラにして9台分。

なんで分かるかというと、数年前に家を手放し、団地に引っ越したからです。
そのとき出したゴミが軽トラ7台分。
引越し先に持っていった荷物が2台分。
そのうえ、母は商売をしていたので、お店の処分もありました。

そう、処分。
いよいよとなっても片付けができなかった母は、いい物も悪い物もひっくるめて、ぜーんぶ業者にお願いしたのです。
ひそかに狙っていた骨董のミシンも扇風機もタイプライターも、ぜんぶ粗大ゴミに出されてしまった。



ですが、仕方ないです。
コロナの時期で、誰も手伝いに行けなかったのですから。

それに、別視点で見るとですよ。
大量の荷物があっても、業者にお願いすれば数日で片付くんじゃない!という話です。
これは朗報ですよ。

勿論もったいないし、お金もかかります。
できれば先に譲ったほうが、ずっといい。
それでも、最終手段としてなんとかなる、というのは気がラクです。
多少お金を貯めておいて、あとは業者にお願いすれば済むんですもの。

それに母から聞いた話ですが、粗大ごみセンターに付いていったら、いい家具や着物はしっかり寄り分けていたそう。
リサイクルに回してくれるのかしら。そうだといいな。
ゴミにされずに済むなら嬉しいこと。

母の話に戻ると、いまの部屋も物であふれています。
軽トラ2台分ですからね、まだまだ多い。
お気に入りの猫雑貨や陶器をあちこちに置いて、相変わらずな感じですよ。

あふれんばかりの物に囲まれた母は、満足そうでした。
認知症とはいえ本人はのんびりしたもの。
部屋を好きな物でいっぱいにして、マイペースに過ごしています。

それで思ったんですが、最期の最期まで好きな物に囲まれて暮らすのもアリだなと。

片付けが趣味とか、シンプルインテリアが好き、ミニマムに暮らすのが幸せという方は別として。
わたしの場合は、ごちゃごちゃしたインテリアが好きですからねぇ。
お気に入りの物にあふれた部屋で暮らすことで、豊かな気持ちでいれそうです。

そう思う一端は、姉にもあります。
姉の部屋が、なんにもなくて・・・。
いろいろと不幸が重なり心の病気になってしまった姉は、荷物をほとんど捨ててしまいました。
もう何もいらないと言って。
姉を見ていると寂しい気持ちになります。

いまは少しずつ良くなって、たまに小物を買っている姉を見ると安心します。
彼女はカントリースタイルが好きでした。
少しずつ、以前の楽しみを思い出してもらいたいなぁと思いますよ。




ランキングに参加してます。
応援クリック頂けると嬉しいです。
にほんブログ村 インテリアブログ アンティーク・レトロインテリアへ